2022/08/28

金融ユニオン 第14回定期全国大会開催

 8月28日、金融ユニオン第14回定期全国大会が昨年に続いてリモートで開催され、代議員・役員・オブザーバーが参加し、この1年間の活動を振り返り、新年度の運動方針等を決定しました。

 黒田委員長は「今年こそ対面でと大会準備を進めてきたが、連日、全国で3万人を超える感染者の増加状況ではリモートでの開催は、やむを得ない。第7波のコロナ感染状況は、ウイルス自体は弱毒化したようだが、より感染力が強まり死者数は過去最高を更新。救急搬送されずに亡くなる方や、基礎疾患のない幼児の死亡も報道されている。医療従事者、ケアワーカーは、現場で命の選択にも迫られている。保健所の減少は政治の貧困そのものだ。新自由主義のもとで、あらゆることが自己責任にされていて危険を感じている。

 私の働いている三菱UFJ銀行では、各自の銀行への思いと、なぜ自分はここで働くのかということを、支店のイントラの中で語り合う取り組みが始まっている。書き込みに対してコメントを入れていく形式だ。隣の席の同僚が『なぜ働くかって、お金のためでしょ、それ書いちゃダメかな』とつぶやいたので、『大事なことだから、それでいいんじゃない』と返事をしたところ、大まじめに違うことを書いていた。

 なかなか本音は出せない職場である。

 今では私たちがこれまで体験してきた職場環境とは違い、当たり前に育休を取り、時短勤務ができる職場に変化してきたのは、先輩たちから引き継いできたものと思っている。非正規格差、ジェンダー平等など、まだまだな課題はあるが、要求しないと始まらない。そして、少し残念に思っていることは女性の役員が減少していることだ。

 要求が実現できない困難を前に足ぶみせず、一歩ずつ踏み出して行こう。金融機関が大きく変化しているが、労働組合は原点に立ち返り、労働者の生活、命と健康を守るという存在意義を共有し、次の世代へ引き継ぐ使命を持っている。団結して経営と対峙して行こう。

 本日は、代議員と多数の方のオブザーバー参加している。職場や地域で頑張っている仲間に思いを語ってもらい、経験の中から知恵を出し合い、議論を深め、1年間の活動の総括と、これからの闘いへ希望の持てる大会にしていきたい」と挨拶しました。

 本部から第1号・2号・3号議案が提案され、討論に移りました。

 討論では、

【コミュニケーションづくり】

「金融ユニオンもオンラインの会議や交流が板についてきた。全国各地に組合員が散らばる組織にとってはまさに翼を得たようだ。企業の枠を超えた交流や同じ悩みを抱える仲間同志、こんなテーマで話し合いたいという仲間をマッチングして、活動できたらいい。非正規労働者の待遇改善・組織拡大にも力を入れて活動していきたい」

【権利侵害】

「去年12月に三井住友銀行に加入通告したTさんの団交をやっている。7年前に職場で受けたパワハラと、合併による中途採用者という形になった関連会社の労働者に対し、賃金差別を残したまま、51歳から賃下げはプロパー社員と同様に実施することの妥当性を銀行に説明を求めているが、まともに回答せず、はぐらかしている」

「家族で共有している自宅のパソコンを銀行が土足で調査することの異常さを抗議しても『本人が同意したから』として責任を取ろうとしない。同意しない自由など全くなかった。職場に憲法などない」

「直属分会では枚方信金で説明(フィードバック)もなしに、定期異動の時期に大幅賃下げを伴う降職・転勤させられる実態が、Iさんの組合加入で明らかになった。先ほどの三井住友銀行や枚方信金でも職場の情報を教えてくれる仲間の存在が大きな支えだ」

「職場でのパワハラ・いじめなどに対して、労働組合に入って頑張ることは大切だが、メンタル不全になって人生も家庭も破壊されてしまうようなケースを見ていると、頑張れと応援することが、その人や家族のためになったのかというジレンマにも悩まされる」

「あおぞら銀行の東京都労働委員会の状況と今後の方針については、昨年の3月29日に労働委員会に不当労働行為の救済申し立てをし、今年の4月21~22日に証人尋問を行い、9月14日までに最終準備書面を提出して、救済命令ないし棄却を待つだけというところまで来ている。決定は今年の12月もしくは来年1月までになっているので半年以内に、今までのこの闘いの結論というのが一旦出るような形になっている」

【組織拡大強化】

「個人加盟労組が合併してできた金融ユニオンは、大阪では銀行労働者主体の大阪分会と信金信組などの地域金融機関の労働者主体の直属分会とが、日常の活動でも団交や地域の集会や会議など共同して取り組んでいる。職場で組合員が組合員を増やすという体制にみんなで変えて、組織を拡大していきたい」

「自殺した若者のご遺族の方が金融機関を訴えた2件の裁判に関わっているが、パワハラや過重労働で悩んでいる段階で金融ユニオンにたどり着いて欲しかった。金融労働者の相談窓口がここにあることを幅広く知ってもらう取り組みが求められている」

「一昨10月17日にOBが中心となって金融ユニオン京都北都信金分会を結成した。現役組の京都北都信金従組と合同会議を行い、職場の状況や利用者の意見などを交流して、組織強化拡大の応援も行っている」

「ホームページを見て組合に加入した人を、団体交渉で応援した経験もある。本部からの連絡で面談したが、病気の関係で組合加入に至らなかった仲間もいる。全国・地域での組合員拡大に向けた取り組みの情報など教えて欲しい」

「組合に入ったら会社や周囲から攻撃を受けるのではという心配は、今年度も『取り越し苦労』だったことが2つの実例で証明された」

「金融ユニオンの良い点は、層が厚いことだと思う。私は子どもを2人産んだ際にマタニティハラスメントを受けて給料を7万円下げられ、団体交渉を開始したが、今も働けているのは、団体交渉にいろんな人たちから応援を受けたことだ。課題解決には2~3年はかかったけれど、団交を重ねるたびに支援者が増えてるじゃないかと会社側から言われることもあった。今、コロナで人事部が在宅勤務などを検討しているなかで、自分だけが団体交渉をしていていいのか、何を優先すべきかと考え、文書のやり取りにしている。社内ではたった一人でも、何かあると、また、組合の人が応援に来ると思われていることが、非常に大きな力になっている。なかなかベースアップがないと言われるなかで、毎年1万2千円上がっている。コロナの影響で業績は低迷し、去年は6千円だったが、出産して7万円下げられた分はほぼ回復傾向にある。」

 皆さんの経験談をたくさん共有させてもらい、自分も団体交渉で主張できる大きな力になった。今年も団体交渉ができなくても、文書でベースアップ要求をし、実績を積み重ねて、周りから『なんだ、あいつだけ』と思われるかもしれないが、それが労働組合の力なんだということを示したい」。「私も団体交渉をしたが、その場には社員じゃなく組合の仲間と一緒に闘った。私も他企業の団交に参加させてもらい、ノウハウも身に着けることができた」

【雇用延長問題】

「あおぞら銀行は70歳までの雇用確保条件に過去3年間の人事評価水準を持ち出してきている。人事評価が出るのは来年3月なので、今の段階では65歳以降の雇用継続について何もわからない状況だ。おそらく時間切れを狙っていると思われる。評価に関係なく年金だけでは生活できなくなっているのに、条件を出してくること自体が高年法改正の趣旨に反している」

「高齢者雇用の促進という法律で、そういう差別をしてはいけないという法律ができ、希望すれば60~65歳まで雇用しなければならなくなってきた経緯がある。65~70歳の雇用問題についても、世の中の流れのなかで条件をつけること自体は、突破していける課題だ」

【職場状況】

「親の介護やメンタル不調で、この3年間は組合活動にほとんど参加できなかった。親の介護も終え、メンタル面も最悪の状態から回復傾向にあり、今回、声をかけてもらい参加した。コロナで職場の労働環境が大きく変わり、月給制の契約社員と時給制の定時社員の他に、派遣の人が多く採用されてきた。なかでも紹介予定派遣という人は、半年後には正社員になるとのことで、実際に多くの人が社員になっている。私も含めて正社員をめざし、10年以上頑張って来た契約社員には高いハードルがあるなかで、一方では、『紹介予定派遣』という立場の弱い人たちが半年たったら正社員に。10年以上頑張ってきた私たち契約社員にとっては、モチベーションが下がり、なんとも言えない気持ちになっている」

「名ばかり管理監督者の実態は、今春闘で具体的に掴むことができた。休暇の調整役や、部下なし管理監督者というひどい事例もある。この実態を監督官庁などに告発して改善につなげたい」「管理監督者を増やすということは、法律で保護されない労働者を増やし、労働者の過労死・過労自殺・健康破壊につながるということを経営者に強く訴えたい」等、数多くの意見が出されました。

 最後に代議員による議案採決が行われ、全ての議案が満場一致で採択されました。

 6月に選出された新年度の役員のなかから、新しい三役が信任投票で選出されました。
大会で選出された新三役は次の通りです。(敬称略)

 あわせて、9月23日にリモートで開催予定の金融労連定期全国大会への金融ユニオン代議員として浦野さん、次期金融労連本部執行委員に引き続き、黒田さんと林さんの派遣を確認しました。

大会に寄せられたメッセージ(五十音順)

 本当にありがとうございました。

“全国大会に参加して”  参加者の感想文より

 私は金融労連・金融ユニオン第14回定期全国大会の議長を務めさせて頂きました

 今回も昨年に続きZOOM会議での開催でした。まず感じた事はZOOMの機能(画面共有、アクション、チャット)を駆使することによって会議がスムーズに進行したという点です。必要な資料が常に画面に表示され、発言したい方は随時「手をあげる」もしくはチャットを使い、議長に許可を求めるなど実会議ではできない事が出来ました。採決についても挙手は「手をあげる」アクションを使いスムーズに行う事が出来ました。

 各代議員の発言内容についてですが、メンタルに関する問題が多かったように思います。「IT技術を駆使し常時組合員同士のコミュニケーションを図る」という意見や「社会の大きな変化に伴って組合も改革が必要である」という意見も出ました。組合員同士のコミュニケーションを活発にする事によりメンタルの問題を解消できればよいと考えています。

(近畿支部 T)

京都北都従組と金融ユニオンの同分会が合同会議

信金中金の指導による収益強化ノルマ策に惑わされず、仲間を増やし職場改善と地域から信頼される信金へ頑張れ!

 7月22日、京都北都信金従組四役と金融ユニオン京都北都信金分会執行部の計11名が参加して、従組事務所で「合同会議」が開催されました。従組側からの職場報告では、①若年層が退職し、市役所や保険会社などへ転職する事例がある。②平成14年の合併時に信金中金から100億円の借入で、残金の完済には30年はかかると言われ、このことがネックで合併してから20年以上経っても処遇改善が進まない。

 最近は信金中金から幹部職員の導入や営業係に収益強化策として、「目標カルテ」による収益ノルマを課している。達成者には、月額5千円が支給されている。達成者は10数%程度に過ぎない。

 過疎の地域での営業エリアでこんな目標はとても出来ない。目標の追求は、店によりバラバラであるが、メンタルの懸念もあり組合としても監視を強めたい。

 金庫は、店舗統廃合を更に進めたいと言っている。理事長は、事務の効率化を常々強調していて、窓口のタブレット導入により業務係から営業係へシフトするのも一つの事例である。

 更に従組の組織活動の現状等についての報告も行われ、質疑も含めて一定の議論が行われました。

 次に、OB中心の金融ユニオン分会から「近くの店舗やATMが無くなり不便だ、年金の誕生祝いを受け取りに店まで行きにくい、JAでは店頭で預金や年金などの勧誘があるが金庫では話しかけられることがなく冷たく感じる、信金のOBだから協力するのが当然という態度で営業に来てほしくない。タブレット操作が苦手な高齢者も少なくない。会社の昼休みに店舗を利用できない」などOBが耳にする顧客の声が紹介されました。討論の中で、JAや漁協に比べて会員・顧客とのコミュニケーションに落差があり、「顧客離れ」の進行が明らかになりました。

 最後に、議論を通じて参加者からは、「楽しい活動も少ない中で若者の育成に努めているが、組合員の拡大や役員の育成に金融ユニオンの分会の協力をお願いしたい」「最近は、地域金融のスタンスが感じられない。自分が在職する間だけ金庫が持ったらよいという感覚になることもある」「金庫は店舗統廃合を更に進めると言っている。組合もかつてのように勉強会などをやっていく必要がある」などの率直な感想も出され次回の開催を確認して終了しました。

(京都北都信金分会発)


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